スズ菌に感染してしまいました

ついにスズ菌に感染!してしまいました。

SUZUKI SV650 ABS、ついに納車となりました。なんと注文から6か月待ちました。
これまでのバイクライフで126㏄以上のスズキのバイクって初めてなんですよ。
思い起こせば、初めてのバイクは友達から買った5,000円のバーディ(スズキ版スーパーカブ)でした。その後同じく初代スズキジェンマ50を近所の自転車屋さんで購入し、大学生のころには下駄代わりに乗っていました。ただし、あくまでも下駄代わり。バイクとしての認識はほぼなく、本格的に趣味としてのバイクとして買ったのがヤマハのDT50でしたかから、その後スズキという会社のバイクとはほぼ縁がなく、ましていわゆる自動二輪として買ったバイクでは初めてのスズキ製バイクです。

なぜSV650 なのか?

今回、買ったバイク、SV650 なのですが、なぜSV650なのかという点は
1 いわゆるミドルクラス…400CC以上、リッター未満であること。
2 比較的安価であること
3 できればネイキッドで足つき性が良い事
4 タンデムがやりやすいこと
5 4気筒でもいいけど、エンジンがそれなりにパワフルであること
という点について重視して選びました。

ネイキッド、かつミドルクラス、だいたい100万以下であることという視点で探してみると、
ホンダ、CB650R 、NC750 X
ヤマハ、MT-07、XSR700
カワサキ、Z650、Z650RS
スズキ、SV650、SV650X、GSX750
ほかにも海外メーカーにもありますが、今回は除外しました。以前、DUCATIのMONSTER800で原因不明の故障に泣かされた覚えがありましたので、海外メーカーは今回はパスしました。

以上、国内メーカー製のバイクの中からいろいろ悩んでみました。

で、これら候補のバイクの中で特徴的と感じたバイクが今回購入したSV650 ABSだったというわけです。

SV650 ABSの特徴として一番大きいのは、エンジン形式であり、ほかのバイクにはない90度V型エンジンを搭載しているという点です。それこそ以前であれば、90度V型エンジンはスズキ以外のメーカーからも発売されており、例えば一番ポピュラーなのはホンダのVT250やVTR1000FireStormなどがありました。また、ヤマハやカワサキからも発売されておりましたが、ヤマハやカワサキはどちらかといえばいわゆるクルーザータイプのバイクに搭載されていたようです。

V型エンジンのデメリット

しかしながら、V型エンジンのデメリットとしてエンジン長が前後方向に長くなることからくるホイールベースの長さ。これにより直進安定性は増しますが、コーナリングで倒しこみが重くなる傾向があります。また、最小回転半径の肥大など、運動性能が若干スポイルされる可能性があり、ヤマハやカワサキは純粋なスポーツ系バイクにV型エンジンを採用しなかったのではないかと思われます。
また、エンジンヘッドやシリンダーが単純に並列2気筒の2倍必要となることから、コストアップにもつながりますし、また、シリンダーが前後2つということで、いわゆるマスの集中化という部分からもかけ離れていきます。そのため、ヤマハやカワサキはV型エンジンはスポーツ性能を若干スポイルさせても影響が少なく、逆にエンジンがむき出しでメッキパーツを多用した場合のエンジン回りの美しさを優先した結果、クルーザー系のバイクにV型エンジンを多用したものと思われます。もちろん、ハーレーの影響も大きいものと思われます。

V型エンジンのメリット

それではなぜ、デメリットが多いと思われるV型エンジンをスポーツ系バイクに搭載するのか?という点。

1 トラクション性能の確保
直列2気筒エンジンは、360度クランクによる等間隔爆発と180度クランクによる不等間隔爆発の2種類の特性を持たせることができます。
一般的に、360度クランクは左右のピストンが同時に上下方向の運動となります。一方が爆発するタイミングでもう一方が吸気工程となります。つまり左右のピストンが全く同じタイミングで上死点と下死点となります。そのためこの場合は完全に等間隔爆発。ただそのため、上下運動の振動がものすごいことになります。結果、高回転まで回らないエンジンになってしまいます。採用例としてはカワサキのW800系統が該当しますね。
180度クランクは、360度クランクを半分だけ位相させた形式で、一方が上死点のとき、もう一方が下死点となるようなタイミングでエンジンが回ります。そのため一般的には高回転向きなエンジンとなり、一般的な並列2気筒エンジンではこの180度クランクエンジンを採用したバイクが最も多くを占めています。ただし、このエンジンは等間隔爆発ではなくなり、不等間隔爆発のエンジンになります。また、上下方向の振動は相殺されますが、左右に揺するような振動が発生します。よく2気筒バイクで細かいブルブルとした振動がハンドル周りに出るというのはこのような振動による影響が大きいと思います。

いずれの方法にしても決定的に消せない特性がこれらのエンジンにはあります。それが、ピストンスピードが0になる、というところ。180度にしろ360度にしろ片方のピストンが上死点や下死点に来た時に、もう片方も上死点、もしくは下死点に来るという点。言い換えれば、上方向、もしくは下方向に動いていたピストンの向きが変わる点が同時に起こるという点です。この一点がピストンスピードが0になる点ということ。もちろん慣性の法則でいきなりピストンが止まるわけではありませんが、少なくともエンジンとしては上下運動を回転運動に変換している力が一瞬でも0になるという点です。すなわち力がタイヤにかかっていない状態が一瞬でも存在するということになります。つまり、この瞬間だけはトラクションが0になるということですね。
ところが、V型エンジンにはこのピストンスピードが0になる点がありません。片方のピストンが上死点、あるいは下死点に来た時でも、もう片方のピストンは上死点、あるいは下死点にはない、つまり上死点、あるいは下死点に向かって動いている途中にあるということです。そのため、トラクションがどんな時でもエンジンが回っている限りは0になる瞬間がないということがV型エンジンの最も大きな特徴であると考えます。

2 大きなバランサーが不要
ところで、最近、270度クランクを採用したミドルクラスのバイクが非常に多くなってきました。いわゆるロードスポーツ系のバイクでは、古くはヤマハのTRX850から始まり、今では、カワサキ以外の全メーカーのミドルクラスロードスポーツバイクのエンジンがほぼすべて270度クランクを採用しています。これにはれっきとした理由があり、いわゆる疑似90度V型エンジンとなっています。なぜかと言えば、これまた、トラクション性能の確保、つまりV型エンジンのトラクション性能の良さに尽きると思います。なので、あえて270度クランクを採用したパラレツインが多くなってきているとは思いますが、それでもやはりパラレルツインの特性上、バランサーを必須とせねばなりません。
並列2気筒エンジンは上述のとおり、上下方向や左右方向への振動が必ず発生します。これを打ち消すためのバランサーが必要となります。バランサーと言っても要するに振動を打ち消すための「おもり」ですから、エンジンパワーを無駄に食っている状態でもあります。これにより、いくら270度クランクを採用しているといえども、比較的大きなバランサーがついているので、エンジンパワーのロスは確実に発生します。
しかしながら、V型エンジンでは元々上下運動や左右に揺するような振動が理屈では発生しません。そのため大きなバランサーを必要とはしません。当然無駄なパワーをバランサーに食われることもありません。
このバランサーを必要としないという点で、V型エンジンはふけ上りが早いや、エンジンが軽いといった評価を得ていることが多いです。そりゃ、大きなバランサーがついてないのですから、当然の評価だと思います。

V型エンジンのメリット、デメリットを語ってみましたが、一番大きなデメリットである「コストアップ」という点。
おそらくですが、多くのメーカーがV型エンジンを搭載したバイクを止めた理由としてはこれが最も大きな原因と思われます。
気が付けば、V型エンジンを搭載しているバイクを販売している国内メーカーはスズキのみとなってしまっています。これが今回SV650を購入した一番大きな理由です。
これまでもDUCATIモンスターやホンダFireStormを乗ってきて、V型エンジン搭載バイクの面白さや楽しさを知ってしまっていたため、今回最後のV型エンジン搭載バイクという思いで購入に至りました。
今も乗っているMT-10も270度クランク採用の直4エンジン搭載バイクですので、本質的にV型エンジンやクロスプレーンエンジン搭載ってのが刺さるところなんだと思います。

改めてSV650をよく見てみると…

まぁエンジンはべた褒めですが…

ステップとリアブレーキ
この部分、やけに安っぽく感じてしまいます。MT-10も同じように金属むき出しなのですが…なんだか比べると安っぽいんですねぇ。

フロントブレーキホースの取り回し。
マスターから1本で右ディスクに降りてきて、それを左側に取り廻しています。MT-10はマスターから降りてきた途中でブレーキホースを分岐させています。そのため、左右に独立してブレーキホースが取り廻しているように見えます。ブレーキホースのコストダウンとも言えます。

リアサスまわり。インナーフェンダーがありません。一応、泥はねよけプレートは装備されていますので影響は少ないとは思いますが。

エンジン下でトグロ巻いてるエキパイ。リアバンク側からのエキパイがいったん前方に向かい、その後180度反転して前バンクとのエキパイと合体させたうえで、触媒につながっています。DUCATIあたりと比べても、もう少しかっこいい取り回しができなかったのかなぁと残念に思うところ。

バカでかいサイレンサー。イマドキのバイクって腹下に大きな膨張室を備えたサイレンサーを装備しているものがほとんどですが、SV650のマフラーはサイレンサーもマフラーと一体化しています。そのためやたら大きなマフラーといったイメージ。
しかしながら、現行SVが発売されたころのスズキのバイク、例えばGSX-S750やGSX1000Rなどの大型バイクってみんな大きなマフラーを装着しているんですよね。MT-10などは腹下におおきな膨張室を備えたサイレンサーがあって、マフラーそのものはかなり小ぶりですが。

SV650を語るうえで外せないシートの話。
SVのシートは硬くて薄くて、すぐに尻痛になると言われています。しかしながら実際のところは、MT-10よりも柔らかいですよ。多分、尻痛になるのは硬さよりも形状だと思います。前下がりになるのが一番大きいかと。クシタニのエクスプローラージーンズを穿いて乗ってみましたが、尻がずれることがないので、尻が痛くなることもありませんでした。もっとも短時間での使用感ですので、長時間乗ってみてどうかというのは改めてレポートしてみます。

おそらく年齢的にも最後の新車となると思いますが、実際の使用感は改めてレポートしてみます。

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