SV650 ABSのインプレ その3(まとめ)

SV650ABSの2023モデルがようやく納車され、ようやく1000㎞ほど経過しました。これで新車点検に出せます!

今回は、福島県の桧枝岐村から、国道352号(別名酷道352号)を経由して樹海ラインで奥只見湖~枝折峠経由で新潟県南魚沼、関越道小出インターから関越道、北関東道経由でぐるっと約500㎞ほどの行程となります。

大体バイクを買うとこのコースを走ってくるのですが、今回もいつもの福島~新潟コースで走りを確認。
このコースは、一般道、高速、酷道と一通りの道路を網羅していまして、特に酷道352号区間は、何にもない道をひたすら延々と約70~80㎞程度走りますので、燃費計算も結構シビアになってきます。なにせ、ガス欠=遭難ですしね。(笑)

さて、前回までで、ファーストインプレッション的なことはだいたい書いてしまいましたが、実際の走行感はどうなのよ?ってことで、書いていきます。

ぐるーっと1週走って感じたところ。
このエンジン、マジ最高!ってこと。
逆に、SV650はこのエンジン無くして語れないと思います。

前に、Vツインエンジンの良いところ、悪いところを書き連ねましたが、このSV850について改めて感じたところは、まさにどこからでもエンジンがついてくる点。ついてくるっていう言い方が正しいのか間違いなのかなんとも言えないところですが、ついてくるというほかありません。まさに自分が思うようにスロットルの開け閉めに「ついてくる」、低回転での粘りにも「ついてくる」し、自分がほしい分「だけ」のトルクも「ついてくる」といったら良いのでしょうかね?
特にトルクの「ついてくる」感は、ドカッと来るトルク感ではなく、スロットルを開けた分だけトルクが出る、といった感じで、余計なトルクは出してきません。これがMT-10だと、「もっとトルクを出してやんよ」とばかりに鬼トルクが出てくるのですが、逆にそこまでのトルクが必要ではない時などはスロットルの開け閉めに気を使ってしまいます。MT-10の場合はそれが正しいのではありますが。ことSVに関しては、絶対に出しゃばった真似はしません。なので、気を遣わずにスロットル操作ができるのでしょう。優しいというわけではないようです。捻れば捻っただけトルクもパワーも出てきますから、むしろ素直すぎるといった方が適当かと思います。

このエンジンのおかげで、酷道352号はこれまで乗ってきたどのバイクよりも楽しむことができました。
この酷道352号は、タイトコーナーかつ、道幅も1車線もしくは1.5車線。車もバイクもそこそこ走っていますから、いきなりブラインドコーナーで対向車と出くわすなどというシチュエーションが嫌というほどあるのですが、出しゃばらないエンジンと欲しい分「だけ」のパワーが出てくるエンジンのおかげで、タイトコーナーもなんのその。しかも低速が粘りますから、いきなり対向車と出会っても全然焦ることなく対処ができました。しかも、丁度いい感じの2000~3000回転のエンジンパワー然り、ドコドコ感然り、非常に気持ちがいい!
これまで乗ってきたバイクたちは、セローだとひらひら感は良いのですが、ややパワー不足。しかもブロックタイヤということもあって、スリップダウンの恐怖もどことなくありました。ジェベル125でも行きましたが、セロー以上にパワー不足。ただ、セローはSVの次くらいには楽しめましたが。SR400は圧倒的なパワー不足。コーナーでの立ち上がりで失速することもしばしば。NC700X DCTはエンブレのフィーリングがイマイチ、しかも超オーバーステアで怖い思いを幾度となくしましたし、MT-10はパワーありすぎ、かつタイトコーナーでは重さを感じる等々。

やはりSV650はこのエンジンがすべてといっても過言ではないかと思います。

べた褒めのエンジンですが、車体になると、ちと評価が変わります。

1 働かないサスペンション。
最初、ファーストタッチの時は、言うほど悪くないんじゃない?と思いました。が、352号を走って実感。サスが貧弱すぎます。
やや硬めで、フィーリングも悪くはないと思っていましたが、352号の超クネクネ区間に入ってすぐに感じたことは、サスペンションが暴れる!じとっとしていないんですよ。352号はいわゆる洗い越しが多数存在するのですが、この洗い越しを通過すると、サスの動きがすぐに収束しないんですよね。いわゆる「おつり」がくる状態。たしか、SRもそんな感じだったと思います。衝撃を受け止めた後に揺り戻しのような状態になるんですよね。だから、さっさとライダー側が次の動作に移れない。したがって次の操作(体重移動のような)が遅れ気味になってしまいやすくなります。あとは高速道路走行時にもダンパーは弱いなァ、とは思いました。ギャップで尻が浮きましたから(笑)
エンジンと異なり、お金で解決できる部分ではあるのですが、もうちょっと良いダンパーを使ってくれればなぁとは思います。


2 シートについて。
たびたび話題になる尻痛シートですが、やっぱり痛くはなりませんでした。ただ、角の部分、前回指摘したところですが、やや痛みが出そうにはなりました。が個人的には特に問題はないと思います。MT-10のシートよりも快適かもしれません。やや後ろ側に座ると前傾がやや強めになりますが、その状態のほうが尻痛になりにくいですし、ハンドリングも安定してきますね。
そうしても、薄い、硬いという評価はあながち間違ってはいませんので、人によっては、尻痛との評価になるのも仕方ないとは思います。
あともう一点。シート高なのですが、785ミリと昨今のバイクと比べてかなり低め。しかもスリムな車体ということもあって、足つき性はかなり優秀なのです。MT-10だと825ミリと比較的高めということもあって、SVの場合はかなり足つき性は良好なのですが、そのため、膝周りがやや窮屈に感じます。私の場合、身長168㎝で足短いほうだと自覚していますが、それでもやや窮屈。慣れもあるとは思いますが…
穿った見方をすればということにはなりますが、足つきを良くするためにシートのスポンジを薄くしているのでは?とも思ってしまいます。あと5ミリ程中央部のみ、790ミリでも良いのかな?そうすれば、角ばった部分も改善したかもしれませんし、尻痛の解消にはつながらないかもしれませんが多少は改善したかもしれません。


3 SVは曲がらない?
google検索などで、SV650を検索すると「SV650 曲がらない」などと検索候補がでてきます。
これも352号を走って感じたところですが、曲がらないってことはなかったです。むしろ曲がりすぎることも!
どういうことかというと、基本、スロットルオフ状態で(トラクションがかかってない状態)オーバーステア気味、要は切れ込んでいくような感じになります。しかし、きちんとバイクの乗り方の基本通りにトラクションをかけてやると、きっちりと狙ったラインをトレースしていきます。国道352号がタイトコーナー、かつ狭隘路ということもあって、比較的低速域での走行なので、オーバーステアについては余計に感じたのかもしれませんが、それにしても曲がらないといったことは普通に走っていても特に感じません。むしろ積極的にスロットルの開け閉めやブレーキのかけ方など、基本的な操作方法で走っている分には、曲がらないと感じることは一切ありませんでした。
スロットルの開け閉め状態で結構ハンドリングが変わることから、曲がらないという評価になっているような気がします。

以上、約1000㎞走行で感じたことについてまとめてみました。
今後、長距離ツーリングなどではMTよりもSVがメインで使われることが多くなると思います。
ただ、MTはMTで楽しさ満点のバイクですから。これからも使い方次第で両方のバイクに乗っていくことになると思います。

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